僕の会社では随分前から新卒を採っていまして。
年によって変わりますが、僕が入社してからの15年ではだいたい毎年10〜30人くらい入ってきています。お客様に対して人材育成支援サービスを提供している会社なので、自社の新卒には日本一育ってもらえるような環境を作りたいし、作るべきだと思いながら日々活動しています。
僕は数年前から社内育成の責任者になったので、内定式や入社式、研修などで新卒一年次と話すことが増えきたんです。育成の責任者とか言われると新卒社員も概ね緊張しながら接してくるんですが、慣れてくると彼ら彼女らからも話してくれるようになります。
で。
だいたい慣れてくると毎年誰かしらからされるのが、
「おすんさん、転職ってどう思いますか?」
という、どんな返答をしても相手が求めている回答にドンピシャでハマらない王道シリーズの質問です。年によって異なりますが、だいたい毎年9月くらいまでにはこの質問をもらいます。
今でこそ対話しながらある程度の納得感とスッキリ感を提供できるようになったのですが、初めて質問されたときは、対新卒社員よくあるイケてないコーチングのトップ3に君臨している
「あなたはどう思うの?」
という、質問に対して質問を返すという、上位職だけに許されたように見える(でも求める結果は得られない)逃げに走っていました。新卒からしてみれば答えにくいですよね。悪いことをしてしまいました。本人からは飲みにいくと「おすんさん、あれはないですよー」といまだに言われてしまいます。
という苦い経験から、僕なりに反省し、今ではこのように対応している、ということをご紹介します。
前提として、新卒社員が転職について関心を持つのは、
「仕事で失敗した」「上司から叱られた」→仕事でうまくいかないことがあり、自己肯定感や自己効力感が下がっている
「上司や先輩、同僚と合わない」→職場の人間関係がうまくいっておらず、そもそもの衛生要因が満たされていない
「学生時代の同期との飲み会で年収や任されている仕事の範囲にギャップがあることを知った」「職場の同期の初受注など活躍している話を聞いたが自分はまだまだ」→周囲と比較し焦っている
ということが多い印象があります。
これらを踏まえ、今は、下記8つのことを伝えてキャッチボールしています。
①自分のキャリアを自ら考えている、あるいは関心を持っていることはとても素晴らしいこと
②転職はいつでも選択肢の一つになり得る
③転職が気になったきっかけや理由を紙に書き出してみた方がいい
④ ③が自分もしくは周囲の何らかの課題ならば、解決策を考えて行動してみることを勧める(もし気が進まないなら一回だけでもいい)
⑤入社理由を思い出し、それが既に叶った、あるいは絶望的であるならば転職を考えるのもいい
当てはまる場合:自分がどうなりたいかをある程度明確にする。周囲の環境を変えたい、だけでは結局自分で変われない人だと見られてしまう。(現在心身を壊すような劣悪な環境である場合は考えなくてもいい。早くその環境を抜け出そう。)
⑥社内と社外にそれぞれ相談できる相手を作った方がいい(壁打ちすることで自分の意見をまとめる)
⑦転職するにせよしないにせよ、決めたら「今」に集中する。選んだ道を正解にする努力をすることで道は開けるはず
⑧いずれにせよ、社会人デビュー最初の会社にうちを選んでくれたことは感謝しているし応援している
新卒と僕の相性でたまたまうまくいっているだけかもしれませんが、こんな感じで対応するようにしたところ、その後モチベーション高く活動してくれているようです。
新卒社員側だけでなく、そもそもキャリア安全性が社内にあるか?も大事な要素ですので、そちらについても追々書いていきたいなと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは、また次の投稿で。